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2025年お米の収穫の様子をご紹介【千葉県大網白里市・岩瀬ファーム】

私たちの食卓に大きな影響を及ぼした「米不足」。今年は、さらなる猛暑の影響もあり、新米の状況が懸念されています。
ベターホームのお料理教室では、千葉県大網白里市周辺の農家約100軒と協力してお米作りを行う「岩瀬ファーム」のコシヒカリを使用しています。この地域のお米は早場米(はやばまい)といわれ、本州の中でも早い時期に収穫が始まります。9月に入ってすぐ、その様子を見学に伺いました。

黄金色に輝く田んぼに、響くコンバインの音。8月半ばから行われていた収穫は、終盤を迎えていました。


一面に広がる黄金色の稲穂が、太陽を浴びてきらきらと輝いて見えます。「今年のお米はよい状態」と、力強い太鼓判が!

高温の影響を尋ねてみると、九十九里平野南部には利根川から引かれた「両総用水」という水路があり、田んぼに水を潤沢に引き込むことで温度を下げることができるため、大きな影響を受けずにおいしいお米に育っているとのこと。

土づくりにこだわり、化学肥料を5割減らして栽培を行う田んぼでは、稲刈りをすると虫や蛙などが姿を現します。遠くには、それを狙ってやって来る白鷺の姿が。多い時には50羽ほど姿を現すこともあるとか。刈られた株の隙間から逃げていく、小さな蛇の姿も見かけました。

収穫したお米は脱穀して籾(もみ)を取り除き、低温倉庫に保存。温度13℃と湿度70%に保たれるので、鮮度が保たれ、一年中新米に負けないおいしさのお米が供給できるそう。岩瀬ファームでは精米もこだわり、温度が上がりすぎないよう時間をかけておいしいお米に仕上げています。

 

「自分は英語はしゃべれないけど、お米とは会話ができるんだ」と笑う、岩瀬ファームの代表・岩瀬栄一さん。「お米は、ある程度のところまでは太陽が育ててくれる。でもそこからは、お米と向き合い、手をかけ、愛情込めて世話をすることで、よりおいしいお米に育つんです」。どれくらいの間隔を空けて稲を植えるか、肥料や水の量をどうするか。毎年気候条件がちがうので“こうすると正解”という答えはない。積み重ねてきた経験を応用して対応していく必要があるため、マニュアル化はできない仕事だと言います。

日本で稲作に携わる農業従事者の平均年齢は、現在70歳を超えています。現在50代の岩瀬さんも、若い世代を育てていく必要性を痛烈に感じているそうですが、作業の大変さや、必要な機材の価格の高さ、気候リスクの影響も大きく、なかなか参入しにくいのが現実です。

ベターホームのお料理教室のお米は、今月9月より順次新米に切り替わります。私たちが食べているお米が、どんな場所で、どんな人たちの手によって作られているのか。その背景には、たくさんの努力と、課題と、未来への模索があります。岩瀬ファームの、ほんのり甘く、もちもちとしたおいしいコシヒカリを味わうとともに、農業や食の現場が抱える課題について、ぜひ思いを馳せてみてください。

▼収穫の様子を動画でもご紹介しています

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