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【連載・わたしのみそ作り】番外編 みそのことば(2)合わせみそ・練りみそ・なめみそ

この連載では、ベターホームの先生・スタッフ計9名の「みそ係」が、自宅でみそを作る様子をご紹介しています。これまでの目次はこちらから→

みその完成まであと少し。月末にはできあがったみその様子をご紹介できそうですが、それまではみそに関する「ことば」のミニ知識をお伝えします。

みそは調味料の中でも、みそ汁や田楽など料理の主役となる、自己表現のはっきりとした存在。
今回は「合わせみそ」「練りみそ」「嘗(な)めみそ」の3つのことばについてご紹介します。


●合わせみそ~混ぜて相乗効果

合わせみそは、みそ汁やみそ煮を作る時などに、2種類以上のみそを混ぜたもののこと。みそは主材料や産地によって、味、色、香りなどが多種多様。複数のみそを合わせることで、旨味やコク、香りがグンと増します。合わせ方は季節や使う食材や好みによっていろいろですが、一般的には、赤みそと白みそ、あるいは産地の離れたみそ同士を合わせた方が効果的だとされています。

・京都では、赤みそと白みそを合わせたものを、茶の湯で使う袱紗(ふくさ)になぞらえてふくさみそというそうです。袱紗は、布を表裏2枚合わせたもの。2つのものを合わせた、という意味からそう呼びます。ふくさみそは季節によって、白みそと赤みその合わせ方が変わります。正月の雑煮から始まって、夏に近づくにつれ赤みその割合が増えていきます。寒い冬は、甘く濃い味であたたまる白みそを使い、気温が上がるにつれてあっさりしていながら旨味が強い赤みそを増やしていくという原理。盆地ゆえに冬と夏の温度差が大きい、京都ならではの知恵と言えるでしょう。

・みそに酒やみりん、砂糖などほかの調味料を混ぜ合わせたものの総称として、合わせみそと呼ぶこともあります(下の「練りみそ」の項も参照)。

・2種類以上のみそを調合し、合わせみそとして販売されているものも。
・麦こうじと米こうじをブレンドして仕込んだみそのことも合わせみそと呼びます(→教えて!地域のみそ~九州麦みそ・合わせみそ)。


●練りみそ~みそで季節感を味わう

合わせみその一種で、みそに砂糖やみりん、だしなどを加え、よく混ぜながらトロリとするまで弱火で練ったもの。これをベースに、酢、ごま、ゆずの皮、しょうが、木の芽などを混ぜたものを、それぞれ酢みそ、ごまみそ、ゆずみそ・・・などと呼び、あえものや田楽などに用います。

練りみそを使ったあえものは、みそ汁と並んで伝統的な庶民の料理。旬の野菜や魚介を、ゆずみそなど、その時期の練りみそであえれば、季節感たっぷり。

・ところで「田楽」は、平安時代の芸能にちなんだもの。白い袴の田楽法師が高足(たけうま)に乗って舞う姿に、豆腐を串に刺した状態が似ていることからこの名がついたそうです。田楽で刺す串は京都では2本(二股に分かれた串)、関東では1本と決まっているとか。豆腐以外にも、こんにゃく、里芋、魚などに練りみそを塗って焼く田楽があり、魚の場合は「魚田(ぎょでん)」と呼びます。ベターホームのお料理教室「和食上級技術の会」では、6月に「あゆの魚田」が習えます


●嘗(な)めみそ~いにしえに思いをはせて

・そのまま、酒の肴やおかずとして食べられる(嘗める)みその総称。最初からなめみそ用として発酵させた「醸造みそ」と、普通のみそに肉、魚介、野菜、砂糖などの調味料を混ぜた「加工みそ」があります。

・醸造みその代表格は「径山寺(きんざんじ・金山寺)みそ」と「醤(ひしお)みそ」。径山寺みそは、禅僧覚心(かくしん)が宋の径山寺からその製法を持ち帰り、近隣に伝えていたことが始まり。今でも嘗めみそとして流通しています。作り方は、なすやうり、きゅうりなどの野菜の塩漬け、ごま、こんぶなどを混ぜ、米こうじや大豆こうじと一緒に仕込んで熟成させます。醤みそも作り方はほとんど同じで、千葉県の銚子や野田の特産です。

・加工みそは、炒り大豆を入れた鉄火みそ、ねぎみそ、鯛(たい)みそ、とりみそ、ゆずみそなど。その土地特産の食材とみそを合わせた個性的なおかずみそとして、今でも全国各地にあります。
・仙台みそはうまみが強いことから、「めみそ」と呼ばれることがあります(→教えて!地域のみそ~仙台みそ)。

※このコンテンツは電子書籍『なるほど料理のことば』(ベターホーム協会編)をもとに編集・加筆して掲載しています。


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