あの人に会いたい

新條まゆ 漫画家、住宅総合プロデュース会社経営

軽井沢で暮らし、「生きることは食べること」と強く思うようになりました。
自然とともに、自然に生きる。そんなライフスタイルを提唱していきたい。
世界的に大ヒットした『快感・フレーズ』で知られる漫画家の新條まゆさん。東京から長野県・軽井沢に移り住み、住宅総合プロデュース会社の経営者としても活躍しています。デザイン、ライフスタイル、食への思いを伺いました。

Profile
しんじょう・まゆ/漫画家、住宅総合プロデュース会社経営。1994年『あなたの色に染まりたい』でデビュー。以降、全世界で1,000万部を売り上げた『快感・フレーズ』、『ラブセレブ』、『覇王・愛人』など人気作品を次々発表。2017年より軽井沢に移住。不動産投資の経験から、土地探し、工務店選び、見積もりのチェックまでこなす、住宅総合プロデュース会社、MAISON DE COCONを経営。最新作『虹色の龍は女神を抱く』をコミックシーモアなど電子書籍で配信中。
HP:https://cocon-karuizawa.jp  Instagram:https://www.instagram.com/madame_cocon
※外部のウェブサイトにつながります

祖母は町いちばんの料理上手。代々料理好きで、おいしい料理を食べて育ちました
「祖母は、料理上手と評判で、それこそ町いちばんと言われるほどでした。
ベターホームのパン教室に通ったことがある母親も、料理が好きで、とても上手。母は、レシピの材料と分量をみるだけで、味がみえる。私もそうです。
子どもの頃、私が持参するお弁当がとてもおいしかったので、そのことをわかっている友人から、『おかずを交換して!』と言われることもしょっちゅうでした」
料理上手の家系で育ち、小さい頃から自然と料理をするようになった新條さん。
高校生になると、その腕前に、友人から「材料費を出すから、クリスマスケーキを作ってほしい」という依頼がくるように。当時珍しかった“フォンダンショコラ”を作ってあげて、たいへん喜ばれたそう。
同じ頃、漫画好きの友人のすすめで、漫画家を志すようになります。

絵が好きで、得意科目は美術。友人のすすめで漫画家を志しました
昔から何をおいても絵が好きで、風景画を好んで描いていたそう。日本画をずっと描いていたものの、経済的に美術大学に通えず、その道はあきらめることに。
新條さん自身は、漫画は借りて読む程度だったそうですが、漫画好きで、自分でも漫画を描いていた友人から、「漫画家になれば?」とすすめられたことがきっかけで、高校3年生のときに漫画を描くようになります。
風景画の世界とはまるで違うことに難しさを感じながらも、漫画家としてデビューし、デビュー後1年で人気作家に。それ以降は、“3時間寝て、2日徹夜”というような生活を20年続け、その間、料理からは離れていたそうです。

軽井沢へ移住し、自然とともに暮らす中で、見えてくるもの
東京に住んでいたときの家は、“都会的、スタイリッシュ”がコンセプト。モノトーンで、素材はステンレスとガラスと鏡、床は大理石、という家でした。
「そういうものに、だんだん疲れを感じるようになってきました。ほんわかとした小物を、スタイリッシュな家に置くと、コンセプトが合わなくて悪目立ちしてしまって」
その頃、軽井沢の豊かな自然に惹かれ、足しげく通うようになり、2017年の冬、自身がフルプロデュースした家“MAISON DE COCON”を軽井沢に建てます。その経験を活かし、クライアントの理想のデザインを実現するためのトータルプロデュースを行う、インテリア会社を立ち上げました。
東京と軽井沢を行き来する生活をしばらく続けたのち、コロナ禍のため外出できない期間が長引いたことと、「庭を自分で管理したい」という想いが強くなったことがきっかけで、2020年の5月に、軽井沢に完全に移住しました。
「以前は、業者に庭の管理をまかせていましたが、そうすると、業者が管理できる植物しか置くことができません。毎日の水やりやお世話が必要な植物を植えられたら、植物の種類も増やせるし、レイアウトも管理目線ではなく、お庭を素敵にデザインすることを第一に決められる。今は毎朝2時間、庭の手入れをしています。時間があるときは1日中庭仕事、ということもあるんです」

軽井沢の新條さん自宅。昼と夜で表情を変える

自然豊かな軽井沢での暮らし。自然に還らない人工物に違和感を覚えるようになり、“サステナブルであること、地球にやさしいこと”をコンセプトに、家に配するものの素材に徹底的にこだわり、選ぶように。
「自然とともに生活すると、植物の声が感じられるというか、意識が研ぎ澄まされて、直感が働くようになります。もっと植物と触れ合いたいし、自然にストレスなく育った食材をとりたい。最終的には自給自足をしたいと考えるようになりました」

生きることは、食べること。料理は愛情。そして地球の一部だと思います
実は昔から、コンビニ弁当やビュッフェなど、“誰が作ったものか見えない”食べものが不思議と食べられなかったそうです。
「例えば市販のお弁当でも、カツ丼とか天丼とか、目の前で仕上げをしてもらえるものだけは食べられました。自分が食べられるものと、食べられないものの違いが長年わからなかった。大人になってから、それは“愛情”なのかなと、思い至りました。
料理上手な友人が作ってくれた、“ゆでただけ”のじゃがいもが、『今まで食べたことがない!』と思うくらいおいしかったんです。作り手の愛情やパワーが、料理を通して伝わるのだと思います」

新條さんが、興味深い話として、“野菜の声が聞こえる人”の話を教えてくれました。
その方は、スーパーに行くと、野菜の会話が聞こえるそうです。売れ残った2つのにんじんのうち1つが売れていくときに、「先輩スミマセン! 先に行きます」と言い、それを先輩にんじんが「俺は大丈夫だから気にするな!」と送り出したとか。
「このエピソードを聞き、“野菜は収穫したときに死ぬのではなく、体にとりこまれ、その人の役に立ったときに使命を全うする”のだと思いました。その方から『売り場に並んでいる野菜はみんな <わたしはおいしいよ!!> ってアピールしている』と聞いて以来、私は、スーパーで、『買ってほしい子は?』と心の中で声をかけるようにしています。そうすると、アボカドとか選ぶときに、不思議と間違いがないんですよ(笑)」

新條さん自宅キッチン。白基調で明るい

空気が澄み、自然に囲まれた軽井沢で日々を過ごす中で、“食べること”の意義を深く考えるように。
「料理は、地球の一部だと思っています。地球は循環している。その一部を担っているのが料理。食べるもので人間は成り立っているので、何を食べるかがとても大切。自然に近い形のものを食べることが自然だと思う。かといって、あれもだめこれもだめと、ガチガチにしてしまうのも、食べる楽しみがなくなってしまう。自然とともに、自然に生きる、そんなライフスタイルを提唱していきたい」と語る新條さん。夢のように居心地のよい、温かみのあるインテリアに囲まれながら、未来を見つめ、自然と共存していく、強くしなやかな姿勢が伝わってきました。


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ベターホームのお料理教室の受講生向け会報誌「Betterhome Journal」

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