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【連載・わたしのみそ作り】第6章~みんなの天地返し(2回目)発酵してます編

この連載では、ベターホームの先生・スタッフ計9名の「みそ係」が、自宅でみそを作る様子をご紹介しています。これまでの目次はこちらから→

前回は、はじめてみそ作りにチャレンジ中の大阪事務局スタッフわかばの、2回目の天地返しの様子をご紹介しました。今回はほかのメンバーの様子をご紹介します。
やることは1回目とまったく一緒なので「1回目の天地返しからみその状態がどんなふうに変わったか」みその状態に注目!前回の天地返しの記事もご参考にどうぞ。


仕込んで2か月ほどたったみそ、どうなった?

【発酵、進んでます!

<仕込みから30日目→それから22日目>室温は20℃、みそを入れている床下収納は12℃。前回より水がしっかりあがっていました。みそらしい香りも、かすかですがしてきました。味にも変化が。まだみその味ではありませんが、前回よりは塩辛くなくなってました。やわらかくしっとりとしていて、天地返しがやりやすかったです。前回減らさなかった重石を2kgから1kgに減らしました」(名古屋・天むす先生)

 

<仕込みから38日目→それから29日目>引き続き、玄関(14~16℃)に置いていました。みそだまりの量が1回目よりもかなり増え、落しぶたも液体の中に浸かっている状態。みその香りまであと一歩、やわらかい大豆の香りです。味はまだ塩気が強く、もう少し旨味と甘味がほしいと感じました。冷蔵庫に入っているお気に入りのおみそよりおいしく感じます。みそだまりをしっかり混ぜ込んで、天地返しは終了です。表面をおおっているラップを新しいものに替えました」(福岡・とびうめ先生)

 

<仕込みから39日目→それから34日目>季節が進み、我が家の土間もいちだんと寒くなってきました。みそ樽を置いている場所は5〜8℃で、これではまるで冷蔵庫! 昔の失敗が頭をよぎり、発酵が進まないかもと少々焦っていましたが、ふたを開けると何とかみそになってきている様子。全体を覆うほど水がたっぷり出ていました。水の色は茶色っぽく、みそに近づいてきた色です。先月は大豆だけの香りでしたが、発酵を感じる香りになってきました。味も、みそに近づいています。発酵が進み、塩味がこなれるまであと少しという感覚です。こうじがやわらかくなったので、食感もみそらしくなりました。大きめにつぶした豆の粒も、やわらかくなり、目立たなくなりました
」(仙台・ずんだ先生)

 

 

<仕込みから30日目→それから31日目>少しみそらしい香りになってきました。味見をすると、先月よりは甘さが出てきました」(札幌・とうきび先生)

 

<仕込みから31日目→34日目>前回よりずっと進歩していました。すなわち、みその端くれになっていたのです。ただの塩辛いぼそぼそしたつぶし大豆から、これはみそになるのだなとわかるくらいに変化していました。みそだまりもしっかりできていました。色も濃くなり、使い込んだ木べらのような色に。においはみそというよりしょうゆに近い芳香。味は塩気がまだまだ濃いですが、何も食べるものがなかったら、ごはんのおともに食べられないことはないなという感じです」(京都・八ツ橋先生)

 

<仕込みから49日目→それから22日目>温度が低い1階(9度くらい)から2階(18度くらい)へとお引越しさせ、今回は順調にみそだまりも増えてきました。ほのかに香ばしい香りもしています。みそだまりは濃いだしじょうゆのようで、なめてみるととってもおいしい!!うまみの成分がいっぱいのこの液体を、混ぜ込んでいきます。天地返しをすると、1回目とはちがうしっとりとした感触。前回のぱさっとした感じはなく、やわらかく混ぜやすい。少し味見してみると塩味がやわらぎ(まだ塩辛いですが)かなりみそに近くなっています。前回、重石をへらさず2個のせたままにしていたのですが、正解でした。今回は1個に減らしました。天地返しをしたみそは、また1階に移動。こうじくんたちはまた『ひー。寒―い(涙)』となっているかもしれません。また、様子を見ながら考えていこうと思っています」(東京・あんみつ先生)


【発酵、ゆっくりです】

<仕込みから39日目→それから28日目>今回もラジオを聞きながら天地返し。今年の冬は気温が低いので、カビはなさそうな気がしながらオープンしました。想像通り、カビはゼロ。みそだまりの量も多くなく、12月よりほんの少し多いかな、というくらいでした。あまりに普通、平和。先月よりちょっとみそっぽくなった感じがしましたが、味見をするとまだまだしょっぱかったです。ぱせりさんに『天地返ししたよー』とメッセージを送ったら『えらい』と返事がきました。みそ仲間と報告しあって、お互い褒めあうというのも、やる気がでていいなと思いました」(東京・スタッフふたば)

<仕込みから40日目→それから28日目>ふたばさんから天地返しをしたという連絡がきて、私も早くしなければと思い、今回も平日の朝、出勤前にとりかかりました。前回も水があまりあがっていなかったのですが、今回はさらに少なくて、表面がしっとりしているくらい。みそを置いている我が家の玄関は、留守にしている時は10℃くらいになるので、ちょっと温度が低いのかもしれません。天地返しはまた今度にしようか迷ったのですが、気が急いて、天地返しをしてしまいました。写真では進歩がないように見えますが、実は、味は前回より甘く、おいしくなっていました。前回重石を減らしていたのですが、そしてこれまでの先生たちのレポートやアドバイスから、みそだまりが少ない時は減らさない方がいいんだなということを学びました。今回はこのままいきますが・・・」(東京・スタッフぱせり)


ちがいが楽しい
発酵がすすむにつれ、それぞれの状態のちがいがわかるようになってきました。同じ材料、同じ時期に作っても、状態がそれぞれちがうのが不思議でおもしろいですね。

「いつもは1人で様子をみながらのんびり作っていますが、今回は例年より少し緊張感を持ってやっています。でも、みそ係の皆と一緒に作っているという一体感や、何かあっても相談できる!という安心感があります。自分とはちがう様子に驚いたり感心したりと、いつもとはちがう楽しさも感じています。この連載をご覧になっているみなさんも、同じ気持ちになっていただけたらいいなと思います」(東京・あんみつ先生)


手作りだからこその体験が楽しい
発酵が進んできたけれど、まだできあがってはいない状態。この時期ならではの楽しみを、みそ作り歴20年のとびうめ先生が教えてくれました。

「初めておみそを作られた方はここで大さじ2くらいとり出して、おみそ汁で味わってみるのがおすすめです。まだ香りが足りない状態ですが『発酵途中のみそってこんな感じなんだ』というのが、よくわかります。みそだまりも少しすくって、味わってみてください。塩分が強めですが、旨味があり、調味料として使いたくなる味です」

できあがっていないみそでみそ汁を作るなんて、考えたこともありませんでしたが、たしかに買ってきたみそではできないことですね。ここで味わっておくと、できあがった時の味の変化とおいしさを、より強烈に感じられそうです。

「この段階で小分けにして、プレゼントにしても喜ばれます。できあがった“わたしの味”のみそを贈るのもいいのですが、発酵途中のみそなら、自分好みの発酵具合にするという体験も一緒にプレゼントできます。差し上げる時に『あと1〜2ヶ月かな〜お好みになったら冷蔵庫に入れてね』と伝えてください」(福岡・とびうめ先生)

それは素敵なプレゼント。みそ作りに興味がありそうな人に贈ると喜ばれそうです!


ベターホームでは、毎年2月に手作りみその会を開催しています。教室で行うのは仕込みまでですが、天地返しなど手入れのことも丁寧に説明しますので、ひとりで仕込むのは不安という方におすすめです。みそ係の先生たちの多くも教室を担当します!満員や、残席わずかのクラスも出ています。札幌スタジオは日程を増設しました。
●「手作りみその会」詳しくはこちら→

あなたもみそを仕込みませんか
●ベターホームではみそ作りのテキスト、材料、道具を販売しています。詳しくはこちら(これまでの連載の目次も掲載)→

みそ作りの手順を動画でご紹介しています
どんなふうに作るか、流れがよくわかります。

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