ベターホームの道具と食品

【連載・わたしのみそ作り】第1章~はじめての仕込み

ベターホームの先生・スタッフ計9名の「みそ係」が、自宅でみそを作る様子をご紹介する連載「わたしのみそ作り」。いよいよ第1章の開幕です。みそを仕込む様子をご紹介していきます。
みそ係のメンバーたちは皆、11月に自宅でみそを仕込みました。実際に家で作るとどんな感じなのか、気になりますよね。みそ係のみそ作り歴は0年(はじめて作るスタッフ)から20年(ベテラン先生)まで。まずはじめに、今回はじめてみそ作りにチャレンジした、大阪事務局スタッフわかばの仕込みの様子をお届けします。


事前準備
材料はベターホームの「みそ作り材料セット」を使い、作り方は、基本的には『かんたん手作りみそテキスト』を見て作ります。アレンジを加えた先生たちもいますが、初心者なので基本に忠実に。事前にテキストの「仕込み前までに」「仕込み手順」をしっかり確認しました。

予習の結果、大豆を温めるための鍋、マッシャーかフードプロセッサーなど大豆をつぶす道具、大豆をつぶす時に使うバットが必要だとわかりました。1人暮らしであまり調理器具が充実しておらず、鍋は大きいものを持っていないので、直径18cmの片手鍋を使用し、2回に分けて大豆を煮ることにしました。マッシャーは実家から借り、バットのような平らなものを持っていないので、ボールを使います。
みそを仕込む容器と重石は、ベターホームで売っているポリ樽とポリ重石2個を調達。
これで準備は完璧と、この時は思っていたのですが・・・

小さなつまずき
道具をすべてアルコールスプレー(食品用)で消毒し、意気揚々と仕込みを開始。
・・・しようと思ったのも束の間、大豆缶を開けるための缶切りがないことに気づきました。大豆は乾物だと前日からふやかして煮る時間と手間が必要なのですが、ベターホームの「みそ作り材料セット」の大豆は、水煮になっているので、温めるだけですぐ使えて便利。水分も含めて2.3㎏の大豆が入っているので、普段目にすることのないような缶の大きさ。プルトップでは中身の重さに耐えられないからなのか、缶切りが必要でした。近所の100円ショップに売っているかなと急いで行ってみたら、ありました! 仕切り直してスタートです。缶切りを使うのは、とっても久しぶり。もしかしたら10年ぶりくらいかもしれません。缶切りを持つ向きや刃の当て方などがおぼつかなくて、少し手間取りながらも、無事缶が開きました。

結構忙しい
18cmの片手鍋に目分量で半量の大豆を入れ、水300mlを加えて点火。沸騰したら、タイマーを5分セット。この間に塩と米こうじをほぐそうとしたのですが、5分って意外と短いですよね。焦りながら、仕込み用のポリ樽に塩とこうじをざざっと一気に入れました。その後我に返ってテキストを見直したところ「塩を先にほぐしておく」手順を抜かしていたことに気づきました。あーっと思いましたが、やってしまったことはどうしようもないので、塩のかたまりを指でつぶしながらこうじと混ぜ合わせました。そうこうしていたらあっという間に5分のタイマーが鳴ったので、鍋の火を消し、まずはこうじと塩を混ぜ終わらせようと必死に混ぜました。さらに、大豆が熱いうちにつぶさないといけないし、残り半分の大豆を煮ないといけないため、温めた大豆をボールに移して、急いで残りの大豆を鍋へ。なかなか忙しいです。先程と同じように水を加えて点火し、沸騰後に5分タイマーセット。

幾何学的苦戦
ここからやっと最初に煮た大豆を潰す工程にうつりました。いざマッシャーでつぶしだすと、ものすごくつぶしにくい。マッシャーのつぶす面はまっすぐ平らなのに対し、ボールは球形なので、カーブの部分の大豆はつぶし切ることができず、苦戦しました。また、若干冷めていたことと、目分量で分けた大豆量が多かったようで水加減も少なくかため。ひたすらつぶし続けましたが、あっという間に5分経ち、再びタイマーが鳴り響きます。まだ最初の大豆をつぶし終わっていないのに、2回目の大豆が温まりました。つぶしている様子の写真、美しくなくてごめんなさい。飛び散っているのを拭き取ってから撮影すればよかったのですが、あまりに必死で、気がまわりませんでした・・・

今度はいい感じ!
後から温めた大豆にはふたをしておき、最初に煮た大豆を必死でつぶしました。まだ大豆の丸い形がそのまま残っている部分がある状態で、飽きてきたので一度休戦。後から温めた大豆も熱いうちにつぶそうと思いましたが、大きなボールは1つしか持っていないので困りましたが、鍋の中でつぶせばいいのではとひらめきました。早速やってみるとどうでしょう、鍋は平らな部分が多いので、ボールでつぶすよりもずっとやりやすい!来年は最初から鍋でつぶそうと思いました(※鍋の素材により傷つくことがありますのでご注意ください)。さらに、水分量の問題なのか、ふたをして蒸らされたのがよかったのか、最初の大豆より柔らかく、つぶしやすくなっていました。
最初の大豆よりもスムーズに細かく潰せたので、最初の大豆を合わせてもう一度全体を潰しました。自分の好みとして、少し粗い方がいいなと思っていたので、少し粒感が残っている状態で大豆と米こうじ+塩を合わせる工程に移ることにしました。

混ぜても混ぜてもこうじが出てくる
米こうじと塩を混ぜたポリ樽に、つぶした大豆の1/5程度の量を加えます。料理用の使い捨て手袋を着用し、手で混ぜました。そろそろ混ざってきたかな?と思っても、容器の下の方に手を入れると、まだまだパラパラと米こうじが出てきて、これはなかなか手ごわいなと感じました。ムラがなくなってくるごとに大豆を足し、テキストの写真を参考に全体的にしっとりするまで混ぜ合わせました。

またもやピンチ!
全体が混ざったので、上から押しこむように手で押さえ、表面を整えました。その後テキスト通りに進めて重石をのせ、いざふたをしようとした時に、ポリ樽のふたが使えないことに気づきました。重石が容器の深さより上にきてしまうので、ふたができないのです。
あわててテキストを確認すると「紙でおおい、ひもでしばる」とあります。ほこりよけのためです。紙とひも!? 普段不要なものはすぐに処分してしまうため、適当なものがありません。最後までテキストを読まずに仕込み始めたことを後悔しながら、代わりになりそうなものを家中必死で探しました。唯一残していた某衣料品店の紙袋を見つけ出し、かぶせてふたにしてみました。こんな様子です。

みそオバケと同居中
なんとか仕込み終わりました。テキストでは「雑菌が入らないよう仕込み時間は1時間以内に」と書いてありますが、57分間でできました。 ただし、怒涛の57分間でした。
ここで、はじめてみそ作りをしようという方に、大切なアドバイス。事前に「缶切り」「容器のふたがしまらなそうな場合は容器をおおう紙とひも」を準備しておきましょう!
狭い家で冷暗所となる場所がないため、玄関(15℃くらいです)に置いて日々を過ごしています。想像していた「手作りみそのある素敵な生活」とはかけ離れ、紙袋をかぶったオバケのような見た目になりましたが、愛着が湧いてきて、「行ってきます」「ただいま」の挨拶をしたり、時々話かけたりしながら成長(発酵)を見守っています。お手入れをする1か月後が楽しみです。

気が早いですが
今回は小さなミスをいくつかしてしまいましたが、とてもシンプルな工程なので、ちゃんと準備をすれば次回はスムーズにできる気がしています。
まだ仕込んだばかりなので気が早いですが、来年も挑戦します! ただ、大豆をつぶす作業は思っていたよりちょっと大変だったので、フードプロセッサーなどの機械を使うか、自力でやるなら気合を入れて臨みたいと思います。はじめてでも、準備がちょっと足りなくてもちゃんとできたので、皆さんもぜひチャレンジしてみてください!


調理器具がそろっていればやりやすいけれど、なくてもどうにかなる! スタッフわかばのガッツが感じられるレポートでした。
「ボールではマッシャーが使いにくい」というのは、ふだんポテトサラダを作るのにマッシャーを使うくらいでは感じないですが、大豆をたくさんつぶすからこそわかることですね。後半、わかばは鍋でつぶしていましたが、ベターホームで売っている揚げバットがあると、そこそこ広い面積でつぶせて便利です。
大豆はフードプロセッサーでつぶすと速いのですが、マッシャーだと少し時間がかかります。マッシャーでつぶして57分でできるというのは、はじめてにしてはなかなか上出来な気がします! マッシャーでつぶすのは結構楽しいので、あえてマッシャーを選ぶ人もいるようです。また、ハンドブレンダーを持っていたら、鍋の中でつぶしてしまうと洗いものが増えずにラクです。
わかばはちゃんと重石を用意していましたが、水などのペットボトルを重石にしても大丈夫。ペットボトルを使うと高さがあるのでふたはしまりませんが、わかば式に紙袋をかぶせるとよさそうです。

次回は引き続き、仕込みの様子をご紹介。みそ係のメンバーそれぞれ、どんなふうに仕込んだのでしょうか。何年も作り続けているからこその工夫や、アレンジもご紹介します。

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