ベターホームの道具と食品

【連載・わたしのみそ作り】番外編~失敗なんか怖くない!特集

この連載では、ベターホームのお料理教室の先生とスタッフ(みそ作り歴0年~20年)が自宅でみそを作る様子をご紹介しています。経験を重ねたからこその知恵やコツも繰り出されていますが、みんな最初から毎年ずっと、完璧なみそ作りができているわけではありません。
そう、時には失敗も。

みそ作りに限らず、ベターホームのお料理教室では、先生たちが教室で自分の失敗談を話すことがよくあります。それは、自分の失敗を伝えることで、受講生の皆さんに同じ失敗をしないで欲しいという気持ちから。そして、失敗を笑って、楽しい気持ちになって欲しいからでもあります。
小さな失敗から大きな失敗まで、どうぞ笑いながら読んでください。


これは何?ひからびた大豆を発見

「仕込みでみそを容器に詰める時、みそをボール状にして(みそ玉)、空気を抜く為に叩きつけるように入れていく方法があります。楽しい作業だと思って、ベターホームで開催した手作りみその教室でもご紹介したのですが、後日、家の中あちらこちらでひからびた大豆のかけらを発見します。この作業はなくてもいいと気付きました」(福岡・とびうめ先生)

おだやかで上品な雰囲気のとびうめ先生からこのエピソードが届いた時、すごい勢いでみそ玉を投げ入れ、そして飛び散る図を想像してお腹を抱えて笑ってしまいました。お子さんがいる方などには楽しめる作業だと思いますが、念入りな掃除が必要ですね!


見なかったことにしたかった

「みそ樽を備蓄水の段ボールを2箱重ねた上に置いていました。料理教室の後、疲れて帰って来て目にしたのは、ドンガラガッシャン!と倒れた姿。ペットボトルを重石にして、不安定な場所に置いていたので、知らない間に倒れてしまったのでした。その後、安定感を求めて重石を買い、高い位置に置くのはやめました」(東京・あんみつ先生)

疲れた時に目に入ったのが、倒れたみそ樽。聞いただけで心が痛くなるようなエピソードです。あんみつ先生も「ううっ」となったそう。早く夕飯を作らないといけないし、見てしまったものはそのままにできないし。でも、「奇跡的にみそは飛び散っておらず、傾いただけだった」ということですので、ご安心ください。仕込んだみそは安定感のある場所に置きましょう!


あの味わいはどこへ・・・

「とってもおいしくできあがったみそ。冷蔵庫に入れずそのまま置いていたら、味が落ちてしまい、ものすごくがっかりした覚えがあります。おいしくできたら、冷蔵庫へ入れましょう!」(名古屋・天むす先生)

私も「熟成するほどおいしくなる」というイメージでした。味が落ちるとは、腑に落ちませんよね。天むす先生はその後、みそ作りのプロの方にお話を聞く機会があり「みそは置いておけば置いておくほどおいしくなるわけでなく、仕込みの時に、1年もの、3年ものなど、こうじの量などをどうするか考えて作ってます」と説明され、納得したそう。冷蔵庫に入れても少しずつ発酵はすすみますが、自分好みの発酵具合をできるだけ冷蔵でキープ!


茶色いお皿事件

「重石の下に敷く『押しぶた』として古いお皿を使っていたのですが、白いお皿にみそだまりがしみ込んで、まだらに茶色になってしまいました。よせばいいのにそのお皿に揚げものをのせ、電子レンジで温めたところ、五平餅が焦げたようなにおいが漂い・・・。レンジから出してみると、お皿にこげ茶の模様が浮き出ていました(写真)しみ込んでいた“みそだまり”が焦げてしまったのだと思います。ちなみに揚げものは、レンジ用のペーパーを敷いてからお皿にのせていたので無事でした」(東京・スタッフふたば)

お皿は処分してしまったそうですが、写真を撮っていたので、皆様にもご覧いただきましょう。

海藻のような形の茶色い跡が! 現代アートの雰囲気もありますが、「あぶりだし」的な原理ですね。出てきた線によって「みそだまり占い」ができそうな偶然性を感じます。教訓は「大事なお皿は、押しぶたには使わない」ですね。ちなみに、ほかのお皿では、一度もみそだまりがしみ込んだことはないそうです。


手作りみそって、歩留まり悪い!?

「ベターホームに入る前に参考にしていたレシピはシンプル。『1・2月に仕込んで、5・6月に天地返し』とあり、素直に信じた私は、毎年5月にみそ樽を初めて開け、そこにはゴッソリとカビが。手作りみそとはそういうものだと思って、カビ付きみそを取り除いていました。あの年月と捨てたみそを返して欲しいー!」(京都・八ツ橋先生)

ベターホームでは1か月ごとに天地返しをするのをおすすめしています。発酵の促進のためだと思っていましたが、天地返しすることによってカビもはえにくくなるんですね。カビがはえたとしても1か月の間だとゴッソリということもなく、ちょっぴり捨てればいいだけなので、ちょっと面倒と思っても、毎月天地返しをするのがおすすめです。


犯人はあなただったのね!

「ある年、みそにカビがたくさんできました。原因に思い当たることはなかったのですが、考えた末なんとなく怪しく感じた木製の押しぶたの使用をやめたら、カビはなくなりました。押しぶたは使用後よく洗い、熱湯をかけ、何日も乾燥させてからしまい、使う前にもアルコールスプレーして使っていたのですが・・・」(名古屋・天むす先生)

みそを発酵させる菌が目に見えないのと同じく、カビの菌も目に見えない。ちょっぴり怖い話になってしまいましたが、天むす先生がこの話を先輩にしたら「心配なら押しぶたにラップをぐるぐる巻いて使う方法があるよ」とアドバイスしてくれたそう。木製の押しぶたを使っていて不安になった方、お試しください。


かびがはえても、強い心があれば

「多忙にかまけて月に1度の天地返しができず数か月放置。夏場に恐る恐る開けてみたら、灰色でナミナミの形状のカビが大量にはえていたことがありました。でも、意外となんとかなるもの。カビを見ると一瞬クラッとしますが、心を強く持ち、カビを大胆に取り除いて手入れをすれば、ちゃんとおいしいみそができます」(東京・スタッフふたば)

「完成までに一度しか天地返しをしなかった年も。開けてみたら過発酵でよくない感じのにおいがしましたが、カビを取り除いて手入れをしたら、問題なくみそができました。無駄になってしまう部分もありますが、みそ全体がダメになったことはありません。途中『もうダメかも』と思った年も、それなりにおいしいみそができます」(東京・スタッフふたば)

スタッフふたばのカビ体験談2連発でした。「みそを仕込み始めた頃は、カビが出ることがつらく、出るたびに動揺していたのですが、繰り返し経験すると、みそ作りが上手になるというより、カビに動じない強い心を持てるようになります」とのこと。心強いコメントですね!
ふたばは、「第2章~みんなの仕込み(1)準備編」で、「換気をせずにアルコールスプレーを吹きつけまくり、ガス警報器が鳴って、警備会社の人が駆けつけてきた」という失敗談を披露していましたが、よくよく聞いてみると、同じことを短いスパンで2回やってしまったそう。猛反省し、 以降は駆けつける前にお電話いただくように、警備会社に電話番号を登録したそうなのですが、それ以降は自分も気をつけるようになったため、警報は鳴らしていないとのことでした。


異臭騒動

「お店で大きなプラスチック製の洗い桶を見つけ『これを使えば、大豆をつぶしやすそう』と購入。熱々の大豆を洗い桶に流し込み、つぶし始めると、なんだか変な香りが・・・洗い桶のプラスチック成分が、熱で溶け出てしまったのです!大豆をつぶすには、丈夫で長く使えるステンレス製バットがおすすめです」(福岡・とびうめ先生)

「もしプラスチック製を使う場合は、食品用かどうかと、耐熱温度をご確認ください」と、とびうめ先生。


画像を見て忘れものに気づく
最後に、この連載の編集を担当している私、スタッフぱせりの失敗談。

「『第2章~みんなの仕込み(4)おもいおもいのおもしをのせて編』を編集中、自分の画像を見て、ハッと気がつきました。あれ、私、重石の下に押しぶたをしてない! すっかり忘れていました。でも、幸い重石(にしているお鍋)の直径がそこそこあるので、問題ないかなって思っています」(東京・スタッフぱせり)

連載のためにテキストなどを読み込み、押しぶたに使っているお皿の写真も撮り、「押しぶたとは・・・」なんて説明を書いているのに、抜けている自分にびっくりしました。


今回みそ作りが初めての、スタッフわかばの仕込みのレポートでも、小さな失敗がたくさんありました(→こちらからどうぞ)。

ここまでお読みいいただいた皆様、「みそ作りは、ちょっと失敗してもどうにかなるもんだな」と感じていただけますでしょうか。

あまたの失敗を乗り越えて、だんだん心も強くなり、やっぱりみそ作りって楽しい!と、作り続けているみそ係。皆さんも失敗を恐れず、みそ作りにチャレンジしてみませんか。

連載「わたしのみそ作り」、次回は本編に戻ります。引き続きご愛読ください。

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