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「不況と私流シンプルライフ」について

相変わらずの景気低迷で、先行き不安が高まる昨今、世間には「節約」の2文字があふれています。 ところが、わが家を見回せば、「便利だ、いいな」と思って買ったのに使わないままのものが、狭い空間をあいかわらず占領しています。「節約気分」と現実は必ずしも一致していないようです。

では、この時代の生活はどのようにありたいか、料理教室の先生であり、家庭の主婦でもあるベターホームのリーダー会員からとったアンケートを紹介します。そこから見えてきたのは、21世紀につなげたい新・節約術。財布だけでなく、人と地球にもやさしい私流シンプルライフです。【このアンケート結果はベターホーム協会の会報、「月刊ベターホーム」99年3月号に掲載しています】

Q1.ここ数年、暮らし方に変化はありますか?
(1)以前よりも節約、倹約、省エネなどにつとめるようになった 39.6%
(2)昔から、時代に関係なく、節約につとめている39.0%
(3)いろいろ考えはするが、まだ何もしていない9.8%
(4)節約や倹約は特に考えていない7.9%
(5)節約・倹約は長続きしないのでやめた3.7%
〈(3)と(4)を選んだ人の理由〉
「めんどう・時間がない」(5人) 「今の生活スタイルを変えたくない」(2人) 「家族が協力してくれない」「買物が好き」(各1人) 「もともと散財はしていない・必要なものは必要」8人

「以前よりも節約や倹約、省エネなどにつとめるようになった」ベターホームのリーダー会員は、39.6%。「昔からずっと節約・倹約をしている」36.0%と合わせると、約8割の人にとって、低コスト生活術は「常識」です。「節約・倹約などは特に考えていない」層も、具体的に聞くと、「もともと散財をしていないので、あえては考えない」人が少なくなく、堅実な暮らしぶりがうかがえます。
藤原桂子さん(銀座教室)は、「ベターホームを知ったきっかけも、『ものを大切にする暮らしの読本』からでした」と言います。この読本は1973年に、石油ショックを機に<ものを大切にする運動>の一環として出た小冊子。当時の会員の知恵と、「暮らしの研究室」の研究結果をもとに、水、電気、ガス、食料品…と、10項目にわたって、ものを大切にするポイントが具体的にあげられています。運動から26年を経た今も、その精神は現会員の中に活かされ、さまざまな形で実践されています。



Q2.節約・倹約をどう実践していますか(複数回答)。

(1)衝動買いをしない(68.3% )
多くの会員が「すぐには買わず、本当に必要かどうかを考える」習慣をもっています。そして、本当に必要なら、少々高価でも買う。そのほうが、結局は長く大切に使うからだと言います。
「衝動買い予防に、日常の買物は必ずメモ持参。食品は下ごしらえする余裕のあるときしか、まとめては買いません」(豊田ゆり子さん・銀座教室)。

(2)食材をムダにしない料理を考えて作る(51.2%)
「夕食で残った野菜は、朝、おみそ汁に」「週に一度は冷蔵庫の整理をかねて、余っている食材で料理」などは、多くの人が実践中。さらに進んで「1週間の献立をきちんと決めて、冷蔵庫の中のものを使いきる」人も少なくありません。そのひとり阪本ミツコさん(梅田教室)は、「買物に行く回数も減り、ムダな食品も買わない。時間も有意義に使えます」と言います。

(3)バーゲンや安売り情報をチェック して、利用(35.4%)
関東・関西ともに29人ですが、関西の順位は4位。関西では「外食を減らす」が33人で3位です。 「同じものなら安い店に自転車をとばして行く」という人がいる一方、「利用しない。衝動買いや必要以上に買いこむことが多いので」という人も。情報チェックは怠らず、利用は各自の裁量で、ということでしょうか。

(4)クリーニング代のかからない服にする(33.5%)
Yシャツを自宅で洗濯する人が11人。「ホームクリーニング剤を使えば、たいていのものは洗濯可能」と6人が答えています。

(5)公共料金を減らす(33.3%)
具体的には「電気はまめに消す」「炊飯器の保温はしない・電気ポットは使わない」「風呂は続けて入る」「残り湯は洗濯に利用」「冷暖房はひかえめに」「低料金の電話会社に変更」などがあがりました。

(6)外食を減らす(29.2%)
関西では3位、関東では8位と、唯一意見が分かれた項目です。関東の会員は、外食を娯楽やゆとり、イベントと考える人が多いよう。関西では「外食イコール手抜き、手づくり重視」の感覚です。

(7)公共施設を利用(26.8%)
いちばん多いのが図書館の利用。読みたい本はリクエストしています。ほかに体育館や市営のテニスコートで汗を流したり、公民館の無料講座で勉強したり。

(8)家計簿をつける(25.0%)
"現状を具体的に把握し、見直し、ムダな費用を減らす"には大切な出発点。「数字に強い主人が、結婚以来約20年、かかさずつけて、長期的な資金計画もたててくれます」という会員もいました。

(9)ローンや貯蓄、保険の見直し(22.6%)
ローンを抱える人は、「繰り上げ返済や利率の低いものに借り換え」。貯蓄は利率とリスクを見直し、保険は「死亡補償額を減らす」「掛け捨てタイプにする」などして、余分な出費をひかえ、効率のよい運用を心がけています。

(10)ムダなおつき合い(贈答など)をやめる(18.3%)
儀礼的な贈答、互いに負担になるおつき合いは減らす傾向にあります。

* * *

ほかに、パンやお菓子、みそや漬けものなどの保存食は、多くが手作り派。添加物などの不安がなくて安心感もメリットとしてあげる人が多くいました。


Q3.節約してよかったことは?(記述式回答)

家族団らんのきっかけに

牧野和子さん(梅田教室)は、自宅のリフォームにとり組みました。「主人が建設業なので、まったくの素人ではないけれど、間仕切りをとりはずし、床をフローリングに換え、目下、壁紙と天井をリフォーム中。業者だと100万円かかるところを材料費のみでできます」。経済効果大ですが、それ以上に「家族と楽しみながらやれるのがいい」と言います。
同じ梅田教室の宮口かおりさんは、「テレビが3台あって、同じ番組を違う部屋で観ていたことも。観る時間と場所を同じにしたら、電気代は節約、家族一緒の時間も増えました」。子どもが成長するにつれて少なくなる団らんの時間。でも、「節約」をキーワードに家族で話し合う場がもてたという人が多くいました。

ごみが減り、部屋もすっきり

余分なもの、今必要でないものを買わない生活は、時間や空間のゆとりと生活の知恵に通じています。
「買物にとられる時間が少なくなり、少しゆとりができた。服は今までのもので充分間に合うと実感」(小野怜子さん・渋谷教室)、「食品を期限切れで捨てることがなくなり、ごみも減った」(板垣礼子さん・千葉教室)、「家の中がきれいにすっきり。新しいことをしようという気がわいてきた」(原佳子さん・渋谷教室)。
木場由紀子さん(梅田教室)は、「あるものですませるためにはいろいろとくふうも必要ですが、それが楽しいと思えるようになってきました。生ごみはコンポストを利用して、土に返します」と言います。ごみを出さない・再利用できるものは使う生活は、限りある資源を大切にする意味でも有意義なことです。

Q4.節約しつつも、「これだけはこだわっている」ことがありますか?(記述式回答)
健康が最優先
食のオピニオンリーダーとして、当然、「食生活」にはこだわります。「節約よりバランスのとれた食事」「多少高くても、安心・安全な食材を買う」など、必要以上に食費をきりつめることには反対です。 食事以外にも「日ごろから、スポーツジムで体を鍛える」(吉永卓子さん・吉祥寺教室)、「おいしく食べるための歯と、足に合う靴にかける費用」(長沼曜子さん・柏教室)など、健康維持費用はゆずれません。
心のぜいたくが生活に潤いを
殺伐とした世の中だからこそ、ホッとするものにはケチりたくない心情があります。「四季を通じて花の咲く庭づくり」(賀原文子さん・銀座教室)のためのガーデニング費、「毎週決まった曜日にお花屋さんに花を届けてもらう」(原田和子さん・渋谷教室)ぜいたくは、暮らしの活力源なのです。内山幸子さん(千葉教室)のように、ペットへの費用をあげた人も。「老犬、老猫、下半身マヒのうさぎ。3匹がくれる心のやすらぎははかり知れませんから」。 ほかに、観劇、映画に本、習いごとなど「自分への投資」も、心のゆとりに欠かせません。
家族や友人と会食や旅行
「ふだんの生活は質素でも、おもてなしは充分に」と言うのは、大西千香子さん(梅田教室)。食費は1日約1000円でまかなっても、ホームパーティでは、盛大なごちそうと、珍しいおみやげを用意します。「心のつながりや絆を大切に」との思いは、家族旅行や友人を招いてのパーティ、夫とのデート(単身赴任先へ出向く人も)に反映されます。
Q5.あなたにとって、「シンプルライフ」とは? (記述式回答)

多くの人が、これからは、質のよいものを厳選し、それを長く大切に使い続けたいと答えています。そのためにも、まず「気にいったものしか持たない・買わない生活」。「今までの経験で、ものはいくらあっても満足することはないと実感。ものにふり回される生活はしたくない」との反省はだれにでもあるはず。

阪神大震災から得たもの

特に、関西の会員で、阪神大震災を体験した人たちのことばには説得力がありました。梅田教室の新田富子さんは言います。「震災後、本当に必要なものは何かと真剣に考えました。ものは多くなりすぎると管理が充分できず、結局は役に立ちません。品物より人、心の通うシンプルライフをめざしたい」。
矢野幸子さん(難波教室)は、「ホテルのように必要な設備が簡潔に整っている家に住み、生活に必要な最低限の衣類、家具、食器を整え、冠婚葬祭などのおつき合いは派手にならない程度に大切にし、少しの花を育て、死んだあとに家族が困るほどのものを残さない」生活が理想です。「ものを買いこみ、それを整理するためのものを買って、住居の狭さを嘆いていましたが、今はできる限り必要最低限の、良質なものを買っています。少しずつ老いていきます。体力、気力のあるうちに、シンプルでスリムな生活の土台を作っていきたい」と緒方節子さん(渋谷教室)。ほかにも、シンプルライフを「老いじたく」にたとえた人がいました。「究極の理想は、たたみの部屋に何も置かないで座ぶとんひとつで自分の居場所を作り出すことです」とは阪本ミツコさん(梅田教室)。

何に価値をおくか

自分にとって何が必要で何が不要か? 自分なりの価値観をもって暮らし方をシンプルにする過程やすべ術は十人十色です。ある人にはムダでも、別な人にとっては「ゆずれない」ことかもしれません。そして実際、情報にふりまわされず、他人をうらやむことなく、見栄をはらずに、自分のペースで暮らす大切さをあげる人は、たくさんいました。 私流シンプルライフをことばにすれば、「気にいったものに囲まれた、ゆとりの空間」「すてきな友達や仲間がいる暮らし」「何かに一所懸命になれる生き方」「資源を大切にするエコロジカルな生活」などなど、表現はさまざま。でも、たくさんのものがあることだけが豊かさの指標ではないことに、多くの人が気づき始めたことは、確かなようです。
ベターホームのリーダー会員とは……
ベターホーム協会の中心メンバーがリーダー会員です。全国に約800名。35歳から 65歳の女性で全員家庭を持っています。リーダー会員の活動の理念は、まず生涯学習を続けて自分自身を高めることです。ベターホームを活動の場として料理や栄養を始め、生活科学全般について学習し、学習した結果を料理教室の指導者として社会に還元するというかたちで社会に貢献しています。
今回のアンケートに応えたのは首都圏と京阪神のリーダー会員164名です。



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