先生たちの社会科見学

雪印メグミルク

ベターホームの先生たちが教室を飛び出し、さまざまな食の現場を訪ねてレポートします。
見学するのは渋谷教室 黒木まさみ先生(写真左)、宇野晴子先生(写真右)


教えてくれるのは、雪印メグミルク株式会社 海老名工場 副工場長  阿部潤一さん

「命の恵み」である牛乳のおいしさをそのまま届ける
訪問したのは、雪印メグミルクの海老名工場。国内で最大規模を誇り、牛乳をはじめ、乳飲料、ドリンクタイプのヨーグルトなど、114種もの製品を生産しています。
工場内はオートメーション化が進み、徹底した衛生管理によって高い安全性が保たれています。海老名工場には、全国から毎日250トンの生乳が運びこまれます。生乳は工場に到着後すぐに、温度や乳脂肪分などを検査されます。さらに、充填前、出荷前など、製造工程の各段階で、成分検査や官能検査はくり返され、製品化されていきます。
牛乳の味を損なう要素は、主に酸素、熱、光。雪印メグミルクでは、独自に開発した「おいしさキープ製法」という方法(工程4参照)で、生乳本来のおいしさを保っているといいます。トレードマークの赤いパックにも秘密が。赤色のインクに遮光性を高める特殊な改良を加え、光で品質が落ちるのを防いでいるそうです。

実は、牛乳の乳脂肪分や味は、ほんのわずかですが、毎日違います。それは、生きている牛が出すものだから。たとえば冬の牛乳は、乳牛が脂肪を蓄えるため乳脂肪分が増え、コクが増します。また、干し草、青草、豆類など、餌によっても、風味は微妙に変わるのです。

「牛乳は命の恵みです。それを子どもたちにも伝えたいと、業界全体で食育にとり組む努力をしています」と阿部さん。雪印メグミルクでは、海老名工場と牧場の見学を組み合わせた食育活動にもとり組んでいます。
衛生的な環境のもとで、私たちの飲む牛乳は大切にていねいに作られていました。

雪印メグミルク牛乳ができるまで

牧場にて搾乳
牛乳の原料は、健康な乳牛からしぼられた生乳。私たちは、母牛が子牛のために蓄えたミルクをわけてもらっているというわけです。生乳は、搾乳機から直接保冷タンクに入れられ、鮮度・安全性を保ち、タンクローリーで工場へと送られます。

工場見学 START!
1. 受入
牧場から運ばれてきた新鮮な生乳に対し、乳脂肪分や抗生物質検査など、11項目もの検査を行い、すべてクリアしたものだけを受け入れます。

2. 冷却・貯乳
10℃以下に保たれたタンクに貯蔵。

「1本のタンクに100トンの生乳が入りますよ」

3. 清浄化
生乳はタンクから清浄機に送られ、遠心分離により、目に見えない小さなごみをしっかり除去されます。

POINT
従業員の衛生状態も徹底的に管理。そのうちのひとつ、「エアシャワー」では、風の力で衣類についたほこりを吹き飛ばします。見学路のエアシャワーで、先生たちも風の強さを体験!

人もしっかりキレイに!

 

4. 低温脱気
「おいしさキープ製法」は、真空状態の装置の中で、低温のまま瞬間的に生乳から酸素をとり除くというもの。生乳の中に酸素があると、加熱殺菌の際に味が変化する原因になります。酸素をとり除くことで、生乳本来のおいしさをキープできます。

5. 均質化
機械で生乳内の脂肪球を細かくくだきます。口当たりがまろやかになり、飲みやすくなります。

6. 殺菌
130℃で2秒間熱を加えて殺菌し、すぐに冷却します。

7. 充填・包装
機械で紙パックに充填します。日付を印字し、1本ずつ金属探知機で異物検査を行います。

海老名工場は、牛乳や乳製品を作る工場としては、国内最大級! 自社ブランドのほか、コンビニエンスストアのプライベートブランド商品、神奈川県や東京都の学校給食用の牛乳を生産しています。
「すごいスピード!」

8. 保管
ケースに入れて冷蔵庫へ。

9. 出荷
微生物や成分の検査を行い、合格したものを出荷します。

POINT
工場で製造した製品は品質管理課で最終検査を行い、品質規格に合格したものを出荷します。このように受入から出荷まで厳しい検査がくり返し行われています。写真は官能検査のようす。


紙パックには、遮光性の高い赤い色が使われたり、目の不自由な方が牛乳だと判別できるよう切り欠きがあったりと、工夫が施されています。「質のよい紙なので、ぜひリサイクルに出してください」と、阿部さん。

「パッケージにもこだわっています」

 

あけ口の反対側に小さな切り欠きが

工場見学のルートには、こんな楽しい写真が撮れるコーナーも。

「牧場の朝ヨーグルト」と「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト ドリンクタイプ」をいただきました。

「おいしい試食もありました!」

「牛乳が牧場から私たちまで、大切に届けられているのを学ぶことができました。」黒木先生(写真左)
「新鮮さを保つ数々の工夫を知り今まで以上に牛乳をおいしく感じられそうです。」宇野先生(写真右)

【Data】
雪印メグミルク 海老名工場
神奈川県海老名市中新田5-26-1
TEL:046-240-6300
http://www.meg-snow.com/※外部のウェブサイトにつながります

Access
電車:小田急小田原線、JR相模線 厚木駅より徒歩15分
車:圏央道を海老名インターで下りてすぐ

Information
見学は完全予約制。見学希望日の7日前までに電話で予約が必要。
【予約受付時間】
月〜木(祝日、年末年始、休館日等は除く) 9:00〜12:00、 13:00〜16:00、
TEL:046-240-6300

工場見学の詳細
http://www.meg-snow.com/fun/factory/ebina.html※外部のウェブサイトにつながります

※表示の情報は掲載日時点の情報です。掲載した時点以降に変更される場合もありますのであらかじめご了承ください。

撮影/安部まゆみ 文/丸山こずえ

※当ページのコンテンツは、ベターホームのお料理教室の受講生の方のための会報誌「Betterhome Journal」2019年9月号掲載の内容を、Web記事として再掲したものです。

ベターホームのお料理教室の受講生向け会報誌「Betterhome Journal」

「おいしいって、しあわせなこと。」をキャッチフレーズに、 料理レシピや食についての情報を掲載しています。

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