先生たちの社会科見学

磯沼ミルクファーム 東京都八王子市

ベターホームの先生たちが教室を飛び出し、さまざまな食の現場を訪ねてレポートします。

多摩丘陵を利用した放牧場では、いろいろな種の牛が仲良く牧草を食(は)んでのんびり。起伏に富んだ放牧場を歩き回って足腰が鍛えられるので、ほとんどの牛が自然分娩で赤ちゃんを産むといいます。

見学するのは、町田教室 辻井和美先生(写真左)、渋谷教室 後藤裕香先生(写真右)

教えてくれるのは、磯沼ミルクファーム代表 磯沼正徳さん

 

 

 

 

牛の幸せを考える東京の小さな牧場
東京都心から電車で1時間半ほど、八王子市にある磯沼ミルクファームは、静かな住宅地の中で酪農を行っている小さな牧場です。
後藤先生、辻井先生を案内してくれたのは、牧場の代表を務める磯沼正徳さん。家畜が健康で快適に過ごす飼育方法を目指す「アニマルウェルフェア」の考えを大切にしながら、ホルスタイン、ジャージー、エアシャーなど6種の乳牛を飼育しています。
子牛は生まれてから3か月間、専用の哺育舎でミルクを飲んで育ちます。その後は育成舎に移り、えさも干し草や穀物に変えていきます。


辻井先生になでられて気持ちよさそう。スキンシップを通じて牛と人に信頼関係が生まれます。

2人が驚いたのは、東京にいることを忘れてしまうほど広々とした放牧場。「放牧牛たちは、24時間ここで過ごします。雨風に当たったほうが、牛もたくましくなるんですよ」と磯沼さん。搾乳牛が過ごす牛舎も、間仕切りがなく開放的。ストレスのない環境で過ごした牛のミルクは、甘みがあるそうです。

放牧地にはのんびりと過ごす牛の家族もいました。ここには、人工授精だけでなく自然交配で生まれる子牛たちもいます。

「牛舎のそばでも特有のにおいをあまり感じないのはなぜ?」先生たちが感じた疑問の答えを、磯沼さんが教えてくれました。「脱臭や除湿効果のあるカカオの殻やコーヒー豆の皮を敷きわらに使って、においを抑えています。衛生的で、牛にとっても快適な環境になります」
牛と人が幸せに暮らすための工夫に、辻井先生は「都市型酪農ならではの飼育方法なんですね」と感心した様子。後藤先生も「牛への愛情と哲学を感じます」とうなずきます。

牛舎で好きなときにえさを食べる牛たち。えさは、干し草や穀物のほかに、食品工場から出る果物の皮なども。

牛舎の敷きわらに使うカカオの殻やコーヒー豆の皮は、1日に約1トンにもなります。

見学の終わりには新鮮な牛乳や手作りヨーグルトを試食し、のびのび育った牛たちの恵みに感激した二人。人が愛情をそそいで牛を育て、牛がミルクで人を元気にする。東京の小さな牧場は、牛と人の支え合いを感じさせてくれる場所でした。

牛乳やプレミアムヨーグルトを試食。複数種のミルクをブレンドした牛乳を飲んだ二人は「飲みやすい!」「甘くて後味が濃いですね」

こだわりの乳製品 
濃厚な乳製品の数々。右から左回りに、【東京産・低温殺菌牛乳】みるくの黄金律 900ml 972 円、ジャージー飲むヨーグルト(オリゴ糖入り)900ml  1,512円、ジャージープレミアムヨーグルト 500ml 1,512円、天使のほほえみヨーグルト300ml  1,134円(すべて税込)
※表示の価格や内容量等は掲載日時点の情報です。掲載した時点以降に変更される場合もありますので、あらかじめご了承ください。


辻井先生「人と動物がともに生き、お互いが生かし合っているということが感じられました」(写真右)、後藤先生「ふだん使っている食材がどのように作られているかを改めて考えるきかっけになりました」(写真左)

【Data】
磯沼ミルクファーム

東京都八王子市小比企町1625
TEL:042-637-6086
Access
JR 八王子駅南口、京王高尾線めじろ台駅からバス「中小比企」下車、すぐ。京王高尾線山田駅から徒歩10分。
http://isonuma-farm.com/
※外部のウェブサイトにつながります
Information

牧場の見学や乳製品の購入は予約不要。毎週日曜日には、乳しぼり体験教室を開催(事前予約可)。不定期で、石窯ピザ作り教室、モッツァレラチーズ作り体験なども行っている。

※表示の情報は掲載日時点の情報です。掲載した時点以降に変更される場合もありますのであらかじめご了承ください。

撮影/鹿又聡恵 文/丸山こずえ

※当ページのコンテンツは、ベターホームのお料理教室の受講生の方のための会報誌「Betterhome Journal」2018年11月号掲載の内容を、Web記事として再掲したものです。

2018年11月新創刊!「Betterhome Journal」

「月刊ベターホーム」が 2018年11月号より、 ベターホームのお料理教室の受講生向け会報誌にリニューアル︕ 「おいしいって、しあわせなこと。」をキャッチフレーズに、 料理レシピや食についての情報を掲載しています。

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