ご当地レシピ

宇和島鯛めし

旅行気分を味わえるのがご当地グルメのよいところ。
その土地で人気の名物料理を家庭で作りやすいレシピにしてご紹介します。
日本のうまいものを食べつくし!

今回はここ!愛媛宇和島市
鯛めしといえば、鯛を使った炊きこみごはんが一般的ですが、四国愛媛の宇和島では違います。鯛の刺身を使うのです。しょうゆやみりん、酒で作るたれに鯛の刺身をつけ、生卵をとき混ぜて、たれごとごはんにのせて食べるという、言うならば「鯛の刺身入り卵かけごはん」。たれにつかった鯛の身はねっとりとし、そこに卵のコクが加わることで、濃厚な味わいになります。食べ慣れている、いつもの淡泊な鯛の刺身とはひと味違うおいしさで、ここ宇和島にしかない独特な食べ方です。

海の男たちのまかない料理
宇和島鯛めしは、日振島(ひぶりじま)を根拠地にしていた伊予水軍が考え出したと言われています。仲間たちと舟の上で酒盛りをしていたとき、酒を呑んでいたお椀にごはんを盛り、しょうゆをたっぷりとふくませた魚の刺身をのせ、混ぜ合わせて食べたのが始まりだそう。火を使えない舟の上で生まれた、酒盛りの〆(しめ)のまかない料理というわけです。

その後、漁師の間で船上料理として受け継がれ、やがて地元の料理屋で出されるように。こうして、現在の宇和島鯛めしができました。宇和島市内には、鯛めしを食べられる店が10店舗ほどあり、それぞれでたれの味などは異なりますが、総じて甘口が多いよう。

今回ご紹介するレシピは、「刺身は辛口で」という人も食べやすいように、たれはすっきりした甘さにしました。これに卵の黄身だけを合わせて、より濃厚な味わいになるようにしましたが、好みで全卵を使ってもよいでしょう。薬味も好みで、ねぎなどにかえても。自分好みの鯛めしを探してみてください。

 

材料【2人分】
鯛(刺身用さく)…150g

【A】
だし…大さじ2
しょうゆ…大さじ11/2
みりん…大さじ1
酒…大さじ1

卵黄…2個分
温かいごはん…300g

【薬味】
みょうが…1個
しその葉…3枚
きざみのり・いりごま(白)・練りわさび…各適量

作り方
【1】
小鍋にA(だし大さじ2、しょうゆ大さじ11/2、みりん・酒各大さじ1)を合わせて強火にかけ、約2分煮つめる。しっかりさます(金属製のボールに移し、底を氷水にあてると速くさめる)。
【2】
みょうがとしそは、せん切りにする。合わせて水にさらし、水気をきる。
【3】
鯛はそぎ切りにする。器2つに盛り、Aを半量ずつ加え、約10分つける。

〈食べるとき〉
【3】の器に卵黄を1個ずつ加える。卵黄をくずし、鯛をからめてごはんにのせ、薬味をのせる。残ったたれを適宜かけて食べる。

※当ページのコンテンツは、「月刊ベターホーム」本誌2017年10号掲載の内容を、Web記事として再掲したものです。

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