ご当地レシピ

<北海道帯広市>豚丼

旅行気分を味わえるのがご当地グルメのよいところ。その土地で人気の名物料理を家庭で作りやすいレシピにしてご紹介します。日本のうまいものを食べつくし!

今回はココ!北海道帯広
「愛の国から幸福へ」のキャッチフレーズで有名な、愛国駅と幸福駅がある。旧国鉄広尾線の廃線後も、恋人の聖地として人気で、世界中から観光客が訪れている。

豚丼とは、甘からいたれで味つけした豚肉を、ごはんにのせた丼もの。北海道十勝地方、帯広発祥の料理です。

豚肉とこの地の関わりは古く、1883年、十勝開拓の祖、依田勉三が豚4頭を連れて入植したのが帯広での養豚の始まりです。大正末期には豚肉料理が一般的になってきましたが、豚肉の鍋ものや豚のすき焼きが主流で、とんカツなどの洋食は庶民には手が届かないものでした。調理方法の限られていた豚肉に目をつけ、「庶民でも食べられる味を」と豚丼を考えだしたのが、大衆食堂「ぱんちょう」の創業者阿部秀司さん(故人)。帯広にも忍び寄る戦争と不景気の風を感じ、「何か特色あるメニューを出さないと店が生き残れない」と考え、模索します。そうして1933年、日本人が大好きな「うな丼」をヒントに、しょうゆをベースにした甘からい味つけの豚丼が誕生しました。

豚丼は、栄養面でも寒いこの地にぴったり。豚肉に含まれるビタミンB1は、ごはんなどの炭水化物に含まれる糖質からエネルギーを作り出すときに必要な栄養素です。糖質がエネルギーに変わると、熱を発して体温維持を助けます。豚丼は、寒冷地である帯広の食べものとして理にかなっているというわけです。

ユニークな名前とインパクトのある見た目が印象的な豚丼。そこには、開拓地での厳しい生活と寒さをのりきるための先人の知恵が詰まっています。店で食べる豚丼は、豚肉を炭火で焼いて作るところが多いようですが、今回は家庭でも作れるよう、グリルで香ばしく焼きあげるレシピを紹介します。豚肉の脂がもつうま味とコクを味わってください。

材料
【2人分】

・豚ばら肉(*焼き肉用) … 240g
・ねぎ … 20cm
・ごはん … 300g

[たれ]
・砂糖 … 大さじ1・1/2
・みりん … 大さじ1・1/2
・しょうゆ … 大さじ1・1/2
・酒 … 大さじ1・1/2

*少し厚めのもの。

作り方
【1】
ねぎは5~6cm長さに切り、縦に切りこみを入れ、薄いクリーム色の芯をとり除く。白い部分をせん切りにし、水にさらして水気をきる(白髪ねぎ)。
【2】
豚肉は約10cm長さに切る。
【3】
小鍋にたれの材料を合わせる。中火にかけ、煮立ってから2~3分加熱して煮つめる(半量くらいになるまで)。
【4】
丼にごはんをよそう。
【5】
肉をグリルに入れ、強めの中火で、しっかり焼き色がつくまで両面を焼く。焼けたものから【3】のたれにくぐらせ、【4】にのせる。残ったたれをごはんにかけ、白髪ねぎを飾る。

 

※当ページのコンテンツは、「月刊ベターホーム」本誌2018年2月号掲載の内容を、Web記事として再掲したものです。

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